
僕がここを訪問したのは、朝一番。現地の友人の強い勧めがあったからだ。
夜は犯罪や殺人が多く非常に危険なのだ。
どれだけリスクヘッジをして、リスペクトを持って訪ねようが、現地の人々からすれば僕は外国人、余所者だ。
面白半分の物見遊山に見えるだろう。
そしたら恨みを買うかもしれない。
もしかしたら、死ぬかもしれない。
そんなことが脳裏をよぎりつつ、不安いっぱいでの訪問だった。
しかし現地に入ってみると驚いた。
沢山の人が笑顔を投げかけてくれるのだ。

劣悪な環境で人々は貧困にあえぎ、犯罪と隣り合わせで生きている。
そんなイメージばかりが先行していた。
しかしいざ飛び込んでみると、そこにはただ、人々の暮らし、人間の温かみがあった。
時々睨まれることもった。が、それ以上に笑顔を投げかけてくれる人の方が圧倒的に多かった。
何より貧しさの中でも人々は笑い合い、子どもたちは瓦礫の中でも駆け回って遊んでいた。


噂通りの貧困が確かにそこにあった。
だが、それだけでなく人の温かさ、現地の人々にとっての”普通の生活”があったのだ。
そんなことを感じながら歩いていると、
不意に強烈な異臭が鼻をつく。
ゴミ山だ。


鼻を覆いたくなるほどの激臭。
収集車が集めてきたゴミの山の中から資源や食べ物を集める”スカベンジャー”と呼ばれる人々だ。
大量のゴミの山に人間が入っていく。
写真の通り防護服などなく、素手、素足での作業だ。
かなりショッキングな光景だった。
地元の人々の温かさに心を打たれ、明るい気持ちになっていた僕を、この景色は現実に引き戻す。
今僕が立っているここは東南アジア最大級のスラム、ハッピーランド。
噂に違わぬ貧困と劣悪な衛生環境。そして高い犯罪率の危険なスラムだった。
だが、その中でも毎日を真剣に生きる人々の逞しさや温かさを、僕は確かにこの目で見た。

再掲するが、これはハッピーランドと同じ街にあるマニラプリンスホテルの光景。
これらが同じ街の光景なのだ。
日本人の感覚では俄かに信じがたいが、これが現実。途方もない格差だ。
自分がどれだけ恵まれた生活を送っているかを痛感するとともに、毎日を真剣に生きられているか…そんなことを考えずにはいられなかった。

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